国内最大級の株式型クラウドファンディングサービスを運営するFUNDINNO(ファンディーノ)。
すでに資金調達に成功した会社は50社を超え、順調に累計調達金額が増加しています。
しかし、そんな中ついに倒産する会社がでてきてしまいました。
それがブレスサービスです。
倒産するまでの経緯に不信な点が多く、残念ながら真相はいまだ解明されていません。
そんな中、今回FUNDINNO(ファンディーノ)を運営する日本クラウドキャピタルさんにダメ元でお願いしたところ、なんと話を伺える機会をいただけました。
ブレスサービスの事、さらにはFUNDINNOの想い、今後における活動などいろいろ聞いてきましたよ。
FUNDINNO(ファンディーノ)についてご存知ない方は先に下記記事を一読してくださいませ。
インタビューに答えてくれたのは??
今回インタビューに答えてくれたのはCEOの柴原さんです。
経歴は下記の通り。
カリフォルニア大学、明治大学大学院卒。システム開発、経営コンサルティング会社を経営。
日本クラウドキャピタルを創業し日本初の第一種少額電子募集取扱業として株式投資型クラウドファンディングサービスを開始する。
よりスタートアップ企業の役に立てればとファイナンス、スタートアップ関連の領域で大学の非常勤講師も務めている。
お忙しい中、嫌な顔一つせずにインタビューに答えてくれたことにこの場を借りて感謝します。
ありがとうございました!!
ブレスサービスについて
2回目の審査について
まず、2回目の募集時なんですが日本クラウドキャピタル(FUNDINNO)さん側で再審査は行ったんでしょうか??
具体的な審査基準は開示できないのですが、当社の審査基準に基づき審査を行った結果、適正と判断しました。
1回目の募集は”プロダクトの作成”が目的で、 ブレスサービスのいう”CORE INTELLIGENCE”というサービスの作成となります。
2回目の募集はそのプロダクトを広げるための資金調達でした。
想定していたスケジュールと比較するとやや遅れてはいたものの、プロダクトに関しては完成していたという状況です。
事業計画書はトップダウン方式とボトムアップ方式がありますが、より具体的な計画となるようにボトムアップ方式を採用し、販管費、人件費など全ての数字に根拠をつけて因数分解していき、作成していただいています
一応、念のため体験者に直接聞いてみました。
オールユアーズの木村さんに聞いてみたところ…
っということで、どうやらかなり激しい計画書作りだそうです。
日本クラウドキャピタル(FUNDINNO)さんが言ったことは間違い無いないですね。
事業売却について
また、売却額については少額で売却されておりました。
てっきり売り上げもしっかり立っていたようなのでそれなりの金額で売却できたのかと思っていました。
シナジー効果もわからなくもないのですが、何故そんな形で手放したのかちょっと理解に苦しみます。
ブレスサービスの新会社設立の意図
確かシード期のベンチャー企業への出資やコンサルを目的とした会社だったと認識しています。
これについてはご存知でしたか?
期日を設けてブレスサービス社の井本社長に連絡をしたのですが、期日内に回答をいただくことができていません。
当社でもこの件については2回目の審査時はもちろん、その後にも何も報告を受けていなかったこともあり、問題があると感じております。
これって、投資家にとっては別会社に井本社長のリソースが割かれて不利益を被る可能性があり個人的に良くないことだと思っています。。
それにしても、なんで急にこんな行動にでたのか正直全然わかりません。
また、登記簿謄本を取り寄せて確認しましたが資本金は100万円ほどしかありませんでした。
別会社の取引関係等については破産管財人より適切に確認が行われるかと思います。
う〜ん、理解に苦しみます。
何か新たな情報がわかり次第、速やかに公表させていただきます。
インタビュー後に続報として下記のことが判明しました。
- 設立した経緯はブレスサービスの資金調達のため
- 設立資金は井本氏の個人的な資産
- 設立したが稼働していない
- ブレスサービスとの取引関係はない
倒産した理由は??
資金調達が失敗してから当社でもフォローしながら様々な方面で資金調達を試みたのですが、良い返事はもらえなかったとのことです。
それでも事業を続けていれば毎月お金はでていってしまうので、最終的にお金がまわらなくなった、と聞いております
ん!? というか日本クラウドキャピタル(FUNDINNO)さんって資金調達に失敗した後もその企業をフォローしているんですか??
企業様に少しでも貢献できればという思いからです。
そのため、一度FUNDINNOで資金調達をしてくださった企業をフォローさせていただくことは弊社のメリットでもあると考えています。
投資家全員への公表は??
しかしながらまだ確認が取れていない部分が多いです。
投資家様には整理ができ次第公表させていただく予定でおります。
申し訳ありませんがもう少々お待ちください。
企業のIRの数が全体的に少なく感じる
自分としてはIRで投資家へ密に連絡を取っていれば、今回の件で多少なりとも違った反応になったと思っているのですが…
企業様には何か進展があった場合や報告したいことがあれば投資家様へ積極的にIRを出すようにお願いしています。
IRを出さないことによって何か罰則など設けているんでしょうか??
「IRを出せないようにする」などの対応は可能ですが、それでは投資家様に重要な情報が届かなくなってしまいます。
罰則を設けることによって投資家様に不利益が生じてしまっては意味がありませんので、現在は企業様に「できるだけIRを出してください」とお願いしている状況です。
ただ、リソースの問題でIRを頻繁に出せない忙しい企業さまもおりますので、これからはFUNDINNO側でお手伝いをしようと考えています。
ポジティブな情報だけでなく、ネガティブな情報もレポートティングしていくつもりです。
投資家側はネガティブな情報も知りたい
このあたりはどうお考えですか??
企業様には出資してくれたたくさんの方がいます。
この方達は言わば”会社のファン”、”サポーター”です。
もし困っている事があれば助けてくれる方がいるかもしれない。
企業が投資家に助けを求められるというのも株式投資型クラウドファンディングのメリットの一つだと思っていますので、様々な情報を企業様と投資家様で共有して欲しいです。
もし出資先のオールユアーズが困っているといったら何か助けちゃうと思いますし。
関係ないですが今日も全身オールユアーズでコーディネートしてきちゃいました 笑
2018年に金融庁は「投資家と企業の対話ガイドライン」を公表し、東京証券取引所はコーポレートガバナンス・コードを改訂され、企業価値の向上を見据えた投資家と企業との関係について様々な議論がされていました。
私たちも、未上場企業の資金調達のためのプラネットフォームとして新しい形の投資家と企業の関係、コミュニティを構築し、新しい投資体験を投資家の皆様に提供できれば考えています。
日本クラウドキャピタルの反省と感謝の気持ち
実は今まで「この市場を壊してはいけない」という考えから慎重に行動して、新しいチャレンジをなかなかすることができませんでした。
この事を非常に後悔しています。
そこで、これからは当社と投資家さま、投資家さまと事業者さま、当社と事業者さま、様々な形でミートアップを実施していきたいと考えています。
内部で体制を整えていますので、できるだけ早く実施するつもりです。
FUNDINNOは出資してくださる投資家様がいないと成り立たないサービスです。
企業様も投資家様が出資してくださることで事業を成長させて行くことができます。
また、何より投資家様たちと直接お会いして感謝の気持ちを伝えたいです。
ネット上だと砕けた感じが微塵も感じられなくて。
でも、話すとめちゃくちゃエモーショナルでとにかく熱量が凄い!!
このあたりは実際に会わないと伝わらない部分かなと思います。
社内には「この業界を発展させていき、ベンチャー企業に1円でも多くのお金を回したい」という強い思いを持ったメンバーしかいません。
今後はミートアップでこちらの思いを投資家様たちに伝えていきたいです。
追記
このインタビュー後に第一回目のミートアップが決まったようです。
これからもどんどん実施してもらいましょう!!
インタビューを終えて
ブレスサービスについては日本クラウドキャピタル(FUNDINNO)側でも正確な情報がつかめず、戸惑っている印象を受けました。
「投資家に早く説明したいけど未確定な情報は発信できない」
話をしていてそんな葛藤を感じましたね。
おそらく今回のインタビューでは言える範囲の内容ギリギリを攻めてくれていたように思います。
言葉を選びながら慎重に答えてくれていたのが印象的でした。
そして、個人的に今回の問題が大きくなった原因は企業側と投資家側のコミュニケーション不足だったのではないかと考えています。
ブレスサービスが定期的に投資家にIRをだしたり、意見を求めたり、投資家ともっと深い関係を築けていればここまで大きな問題にならなかったのかと。
たとえ倒産したとしても投資家側に十分に説明できていれば、投資家側も納得したはずです。
日本クラウドキャピタル(FUNDINNO)側でもそれを軽視していたとのことなので配慮が足りなかった部分はあるかと思います。
今後、ミートアップを実施していく予定とのことですので、日本クラウドキャピタル、企業、投資家、この3者が今まで以上に濃い関係になることを期待しています。
株式投資型のクラウドファンディングのプラットフォーマーは投資家に会ってはいけなかったような気が・・・うる憶えですが・・・
KKKさんコメントありがとうございます。
投資家の勧誘を直接してはいけませんが、会うのは全く問題有りませんよ。
最近はプラットフォーマーと投資家のミートアップも頻繁に実施していますし、金融庁からも「問題ない」と許可がでたそうです。